米国利下げの可能性は?


日本が連休中の5月1日、米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)において政策金利の据え置きを決定しました。

昨年の時点で米国の政策金利は今年も利上げが行われることが想定されていましたが、昨年末の株式市場の急落や米国の経済指標に景気の鈍化傾向が見られたことから、FRBのパウエル議長は利上げの方針から利上げに慎重な姿勢に転換し、今年は利上げどころか利下げがあるのではないか、と見られています。

図1は金利先物取引に織り込まれている、12月のFOMCにおける米国の政策金利の予想です。

政策金利は現状2.25~2.50%ですので、5月8日時点の金融市場において12月のFOMCで現状通りとなっている確率は45.7%、2.20~2.25%に下がっている確率は39.6%と予想されています。

1カ月前は現状通りとなっている確率が52.3%、2.20~2.25%に下がっている確率が36.6%と予想されていましたので、直近1カ月で利下げが行われる確率が上昇したことになります。


一方で政策金利を決めるFOMCの参加メンバーの将来の金利予想はどうなっているかというと、図2にありますように2019年末には2.38%が予想の中心となっており、現状の政策金利の範囲内になっています。FOMCメンバーは3月時点で12月での利下げは考えていなかったようです。


図1と図2の数値は今後の経済情勢によって大きく変化する可能性があり、現時点の予想は将来を保証するものではありませんが、市場は利下げを期待しており12月のFOMCまでに利下げが行われないと米国株にとっては下落要因となるかもしれません。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。