デザインの話題「サウンドデザインのマネージメント」



これからは製造業における音のデザインが注目されるかもしれません。理由は自動車業界の変化です。2018年からハイブリッドカーや電気自動車は低速走行時に歩行者に存在を気付いてもらうための報知音等を出すことが義務付けられました。

ハイブリッドカーや電気自動車の数は年々増え続けており、2020年にもなると街中のあちらこちらで車の報知音を耳にするようになるでしょう。その報知音を聞くとどのブランドの車かも分かるようになり、当然その音のデザインが品評されるようになります。消費者はカタチだけでなく音のデザインにも敏感になっていき、自動車以外の製品も音をこだわらなければならないようになっていくはずです。

しかし音のデザインによくありがちなのが「専門外だから外部に丸投げ」してしまうことです。これだと高いお金を払ってもユーザの心に響く音を作れないかもしれません。そうならないよう音のデザインのプロセスを知って少し意識すれば、素人の我々でも音のデザインのマネージメントをすることができ、より良いデザインに行き着くことができるのです。

では、音のデザインのプロセスはどういったものでしょうか。実はプロダクトデザインやアプリデザインと全く同じプロセスなのです。ユーザを把握し、ペルソナを作成し、その価値観にあう既存の音を調査しコンセプトを確立し、音をデザインするのです。もちろん出来上がった音の評価を実施し改良も行います。しっかりディレクションをしないとデザインがコンセプトから外れていってしまう、なんてことも他のデザインと同じです。

プロダクトデザインやアプリのグラフィックデザインの外部委託でアウトプットが絵だけなんてありえないですよね。音に関してもどのような考えでコンセプトが立案され、そのコンセプトを実現するためにどのような手法を用いたのか、またそのバリエーションはどれだけあって、なぜ最終案に決定したのか。分からないから丸投げではなく、普段やっている通りにマネージメントをすればいいのです。そうすることでよりユーザの心に響く音をデザインすることができるようになるでしょう。

(Betonacox Design)