新入社員「そのうち転職したい」が3年連続増加


トーマツ イノベーションはこのほど、2018年度入社の新入社員のキャリアに対する意識について調査を実施し、その結果を発表した。

今の会社での勤続意向は、「できれば今の会社で働き続けたい」(53.8%)が3年連続で減少した。「そのうち転職したい」(16.7%)、「(今の会社で働き続けたいか)わからない」(16.0%)は3年連続で増加した。


今後3年間の働き方について聞いたところ、男女ともに「定時に帰りたい」(42.0%)が2014年の調査開始以来4年連続で増加した。前回までの調査では「週に2~3回の残業まで」が最も多かったが、今回はその割合が逆転し「定時に帰りたい」が初めて1位となった。

結婚、出産といったライフステージの変化に伴う働き方については、子どもが生まれたら「それまでよりも残業や休日出勤を減らしたい」とする傾向が見られる。その中でも女性は「パート・アルバイト」(13.9%)として働き、家庭を優先したい人が増えており、雇用形態にこだわらない働き方が選択肢にある人が増加していることが分かった。

将来、会社でどのような役割を担いたいか尋ねたところ、「専門家」が33.4%、「管理職」が24.8%となり、前回調査に続き管理職よりも専門家を志望する新入社員が上回る結果となった。また、ここ数年間で「楽しく仕事をしていたい」(21.3%)や「まだ(キャリアについて)はっきりしていない」(19.7%)が増加傾向にある。

社会人としてスキルアップするために取り組んでいる内容を、キャリアの方向性を現時点で決定しているか、そうでないかで分けたところ、キャリアの方向性を決定している人の方が積極的にスキルアップに取り組んでいることが分かった。

スキルアップするために取り組んでいる内容は、「スマートフォン、タブレットPC上で学習アプリを使って勉強をしている」(21.3%)が年々増加している。

同社は今回の調査結果から、新入社員に長く勤めて活躍してもらうためには、仕事の醍醐味を伝えて自社で働き続けることの魅力を感じてもらい、ワークライフバランスを保てる職場環境を作りつつ、生産性を高める必要性を理解してもらうことが重要だと分析している。

調査は、2018年4月3日~4月16日にかけて、東京・横浜・名古屋・大阪で同社が開催した新入社員研修の受講者4863人を対象に実施した。