住宅用太陽光 〜 “2019年問題”への対応


住宅用太陽光発電設備については、“2019年問題”が大きく懸念されている。

住宅用太陽光に係る余剰電力買取制度は、2012年7月に施行されたFIT(固定価格買取制度)より以前の2009年11月に開始されたもの。FITと同等扱いの運用で、買取期間は10年。

2019年に買取期間が終了するのは、約40万件・約120万kWと予測。FIT施行以前に導入された住宅用太陽光は、次の資料にある通り、合計で約470万kW。

12月18日に開かれた経済産業省の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」(第1回)では、この2019年問題に関して、次の二つが決まった。

① 余剰電力である住宅用太陽光の買い手が不在となった場合、一時的・例外的な措置として、一般送配電事業者(大手電力会社)に、その余剰電力を無償で引き受けることを要請すること。

② FIT設備と非FIT設備(FIT終了電源、エネファーム、蓄電池など)が併存する場合、新たに差分計量を適用することで、非FIT電源からの逆潮流を解禁すること。

どんな対策を採ろうが、多少の混乱は免れないだろうし、一部マスコミはわざわざ混乱を起こすような報道をするだろうと、私は予想している。   

詳細な制度設計は今後速やかに決まるだろうが、その具体的な方向性は、上記の委員会で提示された資料4『住宅用太陽光発電に係る2019年以降のFIT買取期間終了を契機とした対応について』で書かれている。

(社会保障経済研究所 代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa