世界の再エネ入札制度 〜 日本の再エネ売買価格は高過ぎ・・・


外務省が「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)」と題するHPで、国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)が2017年6月に発表した報告書 “Renewable Energy Auctions Analysing 2016” について解説している。

このIRENA報告書は、主要各国での再生可能エネルギーの入札状況や課題が分析されており、再エネに関する最近の国際的動向を把握する上で参考になる。

再エネ入札制度は、他の導入制度(FIT(固定価格買取制度)、RPS(再エネ利用割合基準))よりも普及が進み、入札制度を採用した国は、2005年の6か国から2016年半ばまでに67か国に増加したとのこと。資料1を参照されたい。

〔資料1〕世界の再エネ電源の入札状況(2016年)
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)

以下に貼付した資料2〜4は、太陽光、陸上風力、洋上風力の入札価格の推移。

〔資料2〕太陽光における入札価格の推移(2010年~2017年)
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)

〔資料3〕陸上風力における入札価格の推移(2010年~2017年)
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)

〔資料4〕洋上風力における入札価格の推移(2010年~2017年)
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)

日本では、2017年11月に事業用太陽光発電(2MW以上)で初めて入札を実施したが、このIRENA報告書には反映されていない。

各国それぞれ諸事情が異なるので、買取価格(売買価格)の単純比較にはあまり意味はない。ただ、世界的には日本の再エネ売買価格は高止まっているという話。

日本の再エネ売買価格を安くするには、
①法定買取価格を大幅に引き下げること(事後的な変更も含む)だけでなく、
②発電コストを大幅に低減させるための努力をすること などが必要となる。

もっとも、これらはそう簡単にはいかない・・・。

(社会保障経済研究所 代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa