ついに恐怖指数が上昇し始めた?有効となる投資法とは?


日米の株式市場の高値更新がトップニュースになることも最近では珍しくありませんが、株価の水準ではなく株価の変動、いわゆるボラティリティと呼ばれる指標に注目すると、現在のボラティリティの水準は歴史的に見て低い水準です。相場の変動が大きいことをボラティリティが高い、相場の変動が小さいことをボラティリティが低い、と言うことがあります。

図は米国の代表的な株価指数、S&P500指数とVIXの推移です。VIX(ヴィックス)とは、シカゴ・オプション取引所がS&P500指数を対象とするオプション価格をもとに算出しているボラティリティに関する指数です。つまり、VIXはS&P500指数のボラティリティの動向を示しているといえます。


図からは現状のVIXは過去数年で最も低い水準にあることが分かりますが、VIXはときどき上ぶれしていたこともわかります。特に上ぶれが大きかったのは相場の下落を伴っています。株式市場の下落時に上昇する傾向があることからVIXは恐怖指数と呼ばれることもあります。

現在のボラティリティの水準は歴史的に見て低い水準ですが、直近のVIXは底を打ったかもしれません。恐怖指数と呼ばれるVIXが更に高まる場合、株価の下落を伴う可能性があります。米国の株式市場が下落に転じれば、日本の株式市場も影響を避けることはできないでしょう。

このような状況においてどういった投資行動が有効となるでしょうか。

VIXに代表されるボラティリティが上昇することを想定するなら、相場の急落時に値上がりが見込める、個別株式や株価指数を対象とする、プット型eワラントを保有することが有効であると考えられます。プット型eワラントは一般的に、対象とする相場が下落した場合に上昇を期待できます。

また、eワラント価格変動要因には相場の上場・下落などもありますが、他の条件が変わらずにボラティリティのみが上昇するとコール型とプット型のeワラントの価格は上昇します。

以上のことから、恐怖指数とも呼ばれるVIXの上昇を想定するなら、相場の下落とボラティリティの上昇の両方を狙えるプット型eワラントを保有することが有効な投資戦略と考えられるでしょう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。