ドイツ 〜 財界が再生エネ賦課金減免を要求・・・



7月3日付けのドイツ SPIEGEL ONLINE によると、ドイツ商工会議所(DIHK)は、再生可能エネルギー賦課金の減免を提案したとの由。

<記事要旨>
・ドイツ企業は再生エネ賦課金の即時低減を求める。
・ドイツの中小企業の電気料金は、EU内で最高値、フランスの2倍。
・再生エネ賦課金は2017年も上昇。
・DIHKの提案は、次の三点。  
 (1)再生エネ賦課金を 6.88ct/kWh から 4.7ct/kWh に引き下げる。  
 (2)賦課金に上限を設け、上限を超えた分は新設する基金から支払う。
 (3)賦課金対象を熱供給・運輸部門まで拡げ、電気以外に、石炭・石油・ガス部門に負担を課す。

記事原文より抜粋》
So soll das Stromsteueraufkommen von rund sieben Milliarden Euro zur Senkung der EEG-Umlage eingesetzt werden. Die Umlage würde dadurch von derzeit 6,88 Cent je Kilowattstunde Strom auf 4,7 Cent sinken. Dies wäre eine "spürbare und kurzfristige Entlastung für Wirtschaft und Verbraucher", sagte Schweitzer. Zudem macht sich der DIHK dafür stark, einen Teil der EEG-Kosten in einen Fonds auszulagern. So könnte die Öko-Umlage bei einem bestimmten Wert gedeckelt werden. Die Tilgung des Fonds durch die Stromkunden würde demnach erst beginnen, wenn die Umlage unter einen bestimmten Wert fällt. Als dritte Option schlägt der DIHK vor, eine Ausweitung der Umlage auf den Wärme- und Verkehrssektor zu prüfen. Dann würde nicht mehr nur Strom mit der Umlage belastet, sondern auch Kohle, Öl und Gas.

ドイツにおいて、再生エネ政策を礼賛する論調ではない提案が出されることや、それを大きな媒体が報道することは、とても珍しいと思う。ドイツでも、再生エネに対する空気が変わりつつあるということかもしれない。

一昨年3月にドイツを訪問した際、複数の政府機関や財界、消費者団体などに話を聴いた中で、DIHK関係者も再生エネ導入促進に反対することはしないと明言していた。その時の報告書本体報告書要旨を参照されたい。

ドイツの再生エネ賦課金は非常に高い。

日本でも特に311震災以降、ごくごく一部を除き、ドイツによる再生エネ政策動向を前向きに評価し、日本もドイツに倣うべき云々の報道が際立っている。

しかし、日本政府は昨年から、再生エネ導入に関しては“沈静化”の方向に舵を切った。殆どのマスコミは、それを気付いていながら、敢えて報道していないのだろう。

尚、ドイツ商工会議所による詳しい提案内容については、6月21日付け “„EEG-Finanzierung auf neue Füße stellen“Beschluss des Vorstands” を参照のこと。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa