7月21日(金)にNintendo Switch用ソフト『スプラトゥーン2』の発売を目前に控え、ゲームファンの期待が高まっています。2015年に発売された前作のWii U専用ソフト『スプラトゥーン』が大ヒットしたこともあり、株式市場でも『スプラトゥーン2』への期待は高そうです。
この図は2015年以降の任天堂の株価の推移と、株価に影響を与えたと考えられる事象です。また、Googleトレンドから取得した『スプラトゥーン』の検索数(検索ボリューム)も加えています。データは7月5日の11時半時点です。
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過去を振り返りますと、任天堂は2015年3月にDeNAと業務提携を発表し、さらに同年5月末から国内で販売を開始した『スプラトゥーン』が大ヒットしたことを受けて任天堂株は堅調に推移しました。人気が落ち着いた2015年後半からは株価も軟調でしたが、2016年7月のPokémon GO配信開始で株価が急騰したのは記憶に新しいところです。
そして、2016年10月20日、任天堂が公開したNintendo Switchの映像の中に『スプラトゥーン2』と見られる映像が入っていることが分かりました。このとき一時的に『スプラトゥーン』の検索数が増えましたが、その後は伸びておらず、この事実に気づいていた人は少なかったものと思われ、株価への影響も限定的でした。
Nintendo Switchが今年の3月3日に発売された当初、任天堂の株価はあまり反応していませんでしたが、在庫不足が伝わるなど販売が好調であることが知られると任天堂の株価は上昇に転じました。さらに、4月13日に『スプラトゥーン2』の発売日が発表されてから任天堂の株価の上昇に拍車がかかりました。
しかしながら、相場の世界ではBuy the Rumor, Sell the Fact (噂で買って、事実で売れ)という格言があります。皆が知った頃には相場は高値をつけていることが多いので、事実が出たら売りなさいということです。前作の『スプラトゥーン』の大ヒットにより、『スプラトゥーン2』がヒットすることは発売が発表されたときから予想できるため、『スプラトゥーン2』が販売される今月は任天堂株にとってSell the Factの月となるかもしれません。
(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。