2017年のドイツでの電気料金 〜 税・再エネ賦課金の割合が54%で過去最高


2017年のドイツの家庭向け電気料金に係る再生可能エネルギー賦課金単価は 6.88ct/kWh で、前年比約7.8円/kWh(1ユーロ=115円で換算)の値上げになる見込み。

これは、先月24日のBDEW(ドイツ連邦エネルギー・水道事業連合会)の発表にも掲載されている(資料1、資料2)。

※画像をクリックして拡大
<資料1>
2016.11.24 BDEW

<資料2>
2016.11.24 BDEW

ここでは更に、2017年のドイツにおける標準家庭(年間消費量3500kWh)の電気料金に占める税・再エネ賦課金の割合が54%で過去最高を更新すると見通されている。(資料3、資料4)。

※画像をクリックして拡大
<資料3>
2016.11.24 BDEW

<資料4>
2016.11.24 BDEW

ドイツは1998年に電力市場を自由化し、電気料金を市場原理により決まる仕組みに変更した。但し、再エネについては例外で、固定価格買取制度(FIT)により投資回収を保証し、かつ、優先的に買い取る仕組みを敷いた。再エネは、いわば“規制化”によって普及が促進されてきた。

1998年から2016年までのドイツの電気料金の推移を見ると、発送電・小売に係るコストは緩やかな上昇傾向であるが、税金・再エネ賦課金その他の義務的経費は顕著な伸びを示している。

2011年以降では特に再エネ賦課金の伸びが著しく、2013年以降では義務的経費が電気料金に占める割合は5割を超えて伸びつつあることがわかる。特に、再エネ賦課金の割合が相当大きいことが見て取れる。

日本の再エネ政策はドイツを雛形としている部分が非常に多く、まさにドイツの“全面自由化+再エネFIT”と同じ路線を歩もうとしているように見える。

2017年を含めた先行国ドイツのここ20年間の経過を見ると、今のままの予定では、日本もドイツと同じ軌跡を辿っていく可能性が極めて高い。これは非常に危険である。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa