2016/10/11

更新:あの頃と似ている?日経平均株価の推移

4月のコラムで2015年からの日経平均株価の動きが2007年から2008年のときの値動きに似ているというコラムを書きましたが、読んでくださった方からの反響もあり2016年10月6日までデータを更新してみました。

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2007年はサブプライムローン問題が金融市場の懸念材料とはなっていたものの、楽観的な見方も多かったと記憶しています。結局はサブプライムバブルははじけ、2008年9月のリーマンブラザーズの破綻につながっていきました。当時のキーワードは「サブプライムローン問題」、「質への逃避」、「不透明感」が多かったような印象があります。

2015年から2016年の株価の動きと比べてみますと、今年は既に10月に入ったものの2008年9月のリーマンショックに当たるような大きな経済ショックは起きていません。株価も6月の英国のEUからの離脱にかかる国民投票、いわゆるブレグジットの混乱こそありましたが、各国中央銀行の金融緩和策や日本においては日銀のETF買い付けによって株式相場が支えられているためか、大きく崩れることはなく推移しています。しかしながら最近のドイツ銀行をはじめとする欧州銀行の経営不安は2008年を連想させる不安材料のように思います。

欧州銀行の収益悪化の背景には景気後退やマイナス金利の影響などか指摘されていますが、個人的には2015年7月21日に適用が始まったボルガー・ルールの影響も大きいのではないかと思います。ボルガー・ルールは金融機関に対して自己勘定取引を原則として禁止するものであり、この数年、大手金融機関は業務縮小や人員整理を進めてきました。大手金融機関の自己勘定取引が原則禁止されたことで、金融市場の流動性低下と金融機関の収益悪化懸念から株価の下落が始まったのが2015年の7月でありこの2年間のちょうどピークに当たります。今後の株価については、金融機関の収益改善は当面見込めないことや、EU加盟国は金融機関の救済に公的資金を使いにくいこと、そして12月のイタリアの国民投票に対する懸念等から、年末にかけての株価は上昇は見込みにくく、弱含むものと予想します。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
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