東京都は、中小企業とデザイナーの協働を目的とした企画提案型デザインコンペティション「東京ビジネスデザインアワード2016」を実施している。都内のものづくり中小企業から高度な技術を公募し、その中から選定された11の技術テーマに対し、新たな用途の開発を軸とした事業提案を11月4日まで募集している。12月中旬にテーマ賞が発表され、来年1月下旬にテーマ賞受賞者による公開プレゼンテーションを経て最優秀賞および優秀賞が決定する。企画・運営は公益財団法人 日本デザイン振興会が行っている。
本アワードの特徴は一般的なデザインコンペティションとは異なり、中小企業とデザイナーをマッチングするところにある。テーマ賞を受賞したデザイナーは単に名誉や賞金の授与、商品化の約束で終わるのではなく、中小企業とデザイン委託契約を結ぶことになる。その後、造形といったデザインそのものだけでなく、量産性やコストなどビジネスの成立性を模索していく。ホームページでは実際にビジネス化された例が紹介されており、商品化への道のりも紹介されている。
「今年の技術テーマ」
01. 水なしで肌に貼れる「特殊転写シール技術」
02. 高性能なスキャナーとプリンタを掛け合わせた「リアルシート出力技術」
03. 金属の板材を利用して流通に展開する「老舗板金技術」
04. 地域ネットワークによる複合型の開発「パイプ加工・板金技術」
05. 東京の杉を使った地産地消の「木材加工技術」
06. 一貫生産システムが打ち出す瞬間吸水「1秒タオル」
07. 必要な時だけ表示できる「透明導光パネルとダブルイメージ印刷」
08. 聖書の製本により培った「三方金・三方銀付加工」
09. 精巧なプレス絞りと旋盤切削の複合加工技術
10. 体験と連動させる「ウェアラブル放香技術」
11. 触感やぬくもりを基材に与える「フロッキー加工」
東京ビジネスデザインアワード https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html
(Betonacox Design)