株式市場のJune Swoonにどう備える?


6月に入り日本の株式市場は急落に見舞われましたが、米国では6月の株式市場のパフォーマンスは他の月に比べて悪いという経験則があるようで、株式市場の” June Swoon”(邦訳すると6月の失速、暴落、卒倒といったところでしょうか)をどう乗り切るか、という市場関係者のコメントが見受けられます。

このJune Swoonはもともとは米メジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツの6月の勝率がどういうわけか悪くなる現象を指すようです。6月の株式市場も冴えない傾向があるようで、米国の株式市場関係者がこの時期になると使う相場用語になりつつあります。

そこで実際に直近10年間の月別の株式市場について、米国の株価指数で検証したのがこの図です。ついでに日本の株価指数でも検証してみました。なお指数は配当込みの指数を使い、配当落ちによる下落の影響を受けないようにしています。


確かに過去10年間でみると、米国の6月の株式市場は冴えないようですが、興味深いのは6月よりも1月の方が冴えないこと、しかも日米共に冴えないことが分かりました。また、この期間でみると日本は6月よりも8月のほうが要注意です。月別の騰落率に違いが出てくる直接的な理由は分かりませんが、ファンドなどの大口の資金の換金日が集中しているとか、夏季休暇に向けて投資家が保有ポジションを整理しているとか、June Swoon現象が徐々に知れ渡って一部の投資家が先んじて売りを仕掛けるようになってきた、といったことなどが考えられるかもしれません。いずれにせよ、米国は6月、日本は8月に警戒しておいたほうが良いと言えるかもしれません。

具体的な対策としとは買い持ちしているポジションの一部を現金化しておく、相場下落時に上昇が見込める金融商品、例えばベア型のETFやeワラントのプットやマイナス3倍トラッカーを買ったり、先物やCFDで売り建てるなどしておき、下落の保険とするといったことが考えられるでしょう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。