デザインの話題「クリエイティビティのクレブスサイクル」



今年2016年1月にMITメディアラボのネリ・オックスマン教授がクリエイティビティに関するレポート「Age of Entanglement」を発表している。その中で「サイエンス」「エンジニアリング」「デザイン」「アート」の役割と関係がきれいに整理され語られている。

「サイエンス」の役割は、私たちの周りの世界を説明したり予想したりすること。そして、それは情報(nformation)を知識(knowledge)に変えることである。

「エンジニアリング」の役割は、科学的知識を使って問題を解決すること。そして、それは知識(knowledge)を有用性(utility)に変えることである。

「デザイン」の役割は、機能性を最大化することやユーザエクスペリエンスを付加すること。そして、それは有用性(utility)を生活の一部(behavior)に変えることである。

「アート」の役割は、世の中に疑問を投げかけて気づきを見い出すこと。そして、それは当たり前の生活(behavior)から新しい情報(information)を発見することである。

これら4つを繋げると、それぞれが生み出すアウトプットがまた自らのインプットとして戻ってくる循環サイクルが構築される。レポートではこのサイクルを人間のエネルギーを作り出すクエン酸サイクルになぞらえて「クリエイティビティのクレブスサイクル」と呼んでおり、サイクルを円滑にまわすことでより高いエネルギーのクリエイティブが生み出されるものと考えられる。

(Betonacox Design)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。