2016/03/28

マイナス金利を海外投資家は金融政策の限界と解釈した?

1月に日銀がマイナス金利導入を決定してから2ヵ月が過ぎようとしていますが、様々な方面に影響が出てきています。例えば、長期国債の利回りがマイナスとなって年金などの長期資金の運用が難しくなったり、安定的な資産運用の手段として知られるMMFも運用難となって新規の申込みが停止されたり、金利低下を受けて住宅ローンの申込みが活況となったり、預金にマイナス金利が適用されるのを懸念した個人が金庫を買いに走ったりと、マイナス金利導入のインパクトは大きいものでした。

日本株に関しては、導入決定直後は銀行株が売られた一方でREIT(不動産投資信託)などが買われたりするなど、マイナス金利の影響の解釈に多少混乱が生じたと思われますが、直近は相場変動も落ち着いてきています。しかしながら、海外投資家は2月以降日本株の売却を加速させているように見えます。海外投資家の日本株の売買シェアは7割近くありますので、海外投資家が日本株売りを加速させると株価の下落を招く可能性があり、その動向は注視しておく必要があるでしょう。

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海外投資家は2012年から2015年にかけて約18兆5千億円日本株を買い越し、株価上昇の一翼を担ってきたと考えられますが、2016年に入ってからは一変して4兆円以上日本株を売り越しています。特に日銀がマイナス金利導入を決定してから売り越しの金額が大きくなってきた印象です。海外投資家が売りに回っているの背景の一つとして、日銀が国債を買い付けるという量的緩和に限界が達したと解釈された可能性があります。

量的緩和は市場に大量に資金供給を行う日銀の金融政策で、金利を低下させて借入しやすくすることで経済の活性化を図るものです。経済が活性化するならば株価は先行して上昇すると考えられるので、2012年当時、政権交代で大規模な量的緩和の導入が現実味を帯びてくると日本株は海外投資家に買われました。しかし、量的緩和が景気拡大の火付け役になったとしても、景気拡大が未来永劫続くものではありません。量的緩和を続けていてもその効果は徐々に薄まっていくと考えられます。日銀内でもマイナス金利導入が市場にかえって政策の限界を印象づけてしまうという意見がありましたが、海外投資家はまさに、量的緩和の限界を感じて日本株の売りを強めていると考えられます。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
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