2016/02/01

2月発表の米国失業率は重要な節目となるかもしれない

日銀の新たな金融緩和策の発表で29日の東京株式市場は荒っぽい値動きとなりました。日銀のニュースが世界中を駆け巡り、金融市場はこの話題で持ちきりとなりました。日銀がこのような行動に出た背景の1つには世界経済の減速懸念や年初からの日本株の下落などもあるかと思われますが、こういうときこそ世界経済の中心である米国の動向をしっかり見極めた方がよいでしょう。2月5日には米国の雇用統計が発表されます。この指標は米国の経済の強さを示す重要な指標として知られていますが、特に今回発表される失業率には注目です。

一般に不景気であれば失業率は高く、景気回復期であれば失業率は低下傾向にあります。「低い」と「低下傾向」の意味合いは大きく違います。失業率が低下を続ける「低下傾向」にあれば景気回復期といえますが、失業率が下げ止まった状態は景気拡大が止まったピーク状態を示している可能性があると考えられますので、失業率が単に「低い」というのは景気動向を見る上ではあまり参考になりません。失業率が「低下傾向」にあるのかどうかを見るべきでしょう。

この図は米国の失業率、失業率の3ヵ月の移動平均、S&P500指数の月次データです(2016年1月は27日まで)。移動平均は失業率の傾向を見るために表示しています。失業率と株価の関係をみると、低下傾向にあるときは株価は上昇傾向にありますが、失業率の低下傾向が止まる、つまり移動平均が横ばいになるとその後に米国株が下落しています。失業率の動向は米国株下落の前兆として役に立ちそうです。

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5日発表される予定の失業率に注目しているのはこの移動平均が横ばいになるかもしれない、重要な節目にあるからです。10月、11月、12月の失業率は5.0%で低下していません。仮に1月の失業率が5.1%となると上昇傾向に入った可能性が高く、米国株下落の警戒サインとなります。5.0%であれば上昇傾向とも低下傾向ともいえませんが、横ばい傾向となるのでやや警戒となります。4.9%に低下となれば米国景気は回復傾向にあり、まだ警戒レベルには達していないといえるでしょう。

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(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
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