ドイツSTROM-REPORT(http://strom-report.de/renewable-energy/#solar-energy-generation-germany)によると、ドイツの2015年の電源構成(発電電力量ベース)においては、自然エネルギー(再生可能エネルギー)が30%に達したとのこと。ドイツが“自然エネ先進国”とか、“再エネ大国”などと言われる所以である。
再エネの内訳は、風力13.3%、バイオマス6.8%、太陽光5.9%、水力3%であった。全体の比率での順位は、石炭(42.2%)>原子力(14.1%)>風力(13.3%)>天然ガス(8.8%)>・・・の順〔資料1〕。
<資料1>
(出所:http://strom-report.de/renewable-energy/#solar-energy-generation-germany)
これらに関して、2014年との比較では、再エネ比率は増え、化石燃料比率と原子力比率は減っている。原子力と石炭が減っているのは理解できるが、天然ガスも減っている。再エネのうち、陸上風力の伸びが著しい〔資料2〕。
<資料2>
(出所:http://strom-report.de/renewable-energy/#solar-energy-generation-germany)
再エネのうち、今後特に伸びが見込まれるのは風力と太陽光で、天候や日照で発電電力量が左右される。月ごとの動きを見ても、相当の変動があることがわかる〔資料3、資料4〕。
<資料3>
(出所:http://strom-report.de/renewable-energy/#solar-energy-generation-germany)
<資料4>
(出所:http://strom-report.de/renewable-energy/#solar-energy-generation-germany)
再エネ導入促進や原子力ゼロ化を目指すドイツのエネルギー政策は、“Energiewende”(エネルギーヴェンデ(エネルギー転換))と呼ばれる。
German Renewable Energies Agencyの調査によると、ドイツ国民のエネルギーヴェンデ支持率は92%となっている。その理由としては、段階的原子力ゼロ化(43%)>化石燃料不足(27%)>CO2削減(18%)>・・・の順〔資料5〕。
<資料5>
(出所:http://strom-report.de/renewable-energy/#solar-energy-generation-germany)
さて、日本で同じ調査を行ったら、どのような結果になるだろうか?
恐らく、質問の方法によって違った結果になるであろう。
だが、自然エネを推す声の方が、原子力や化石燃料を推す声よりも圧倒的に多い結果にはなるとも思う・・・。
(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa)
※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。