まだ間に合う?年末投資


日本郵政グループの株式上場で沸く株式相場ですが、上場のタイミングは過去の経験則で見ても最適なタイミングだったのかもしれません。米国の株式相場の格言に「5月に売り払って去れ、そして10月末のハロウィンまで市場に戻ってくるな」というものがあります。これは夏場に株式相場が下落することがあるので、株式を買うならハロウィンのあたりから買えばよいということになります。日本株でも同じことが言えるのか過去20年間の月別変動率を調べてみたのがこちらのグラフです。


グラフから分かるように10月末のハロウィンを境に11月と12月の変動率の平均はプラスで、この時期に株式投資をしていれば良好なパフォーマンスとなっていました。この経験則は日本株投資においても使えそうです。

では今年も11月と12月の株価の上昇が見込めるのか?ということになりますが、将来を予測するうえで最近の状況は参考になるかもしれません。次の表は過去5年の状況です。2011年の11月は比較的大きな下落となりましたが、総じて見れば過去5年は堅調でした。この傾向が続くという前提であれば11月と12月だけ年末投資をするには好機かもしれません。もちろん、将来のことは誰にも分からないのでこの通りになるという保証はありません。


11月と12月は投資の好機かもしれないと思っても既に11月の中旬に差し掛かるころ。年末投資をするにしては遅いと思われるかもしれません。そこで冒頭の図と同じ期間で11月と12月の上旬、中旬、下旬の変動率を調べたのがこの図です。


図からわかるように11月と12月の好パフォーマンスは両月とも下旬の上昇の寄与が大きいことがわかりました。年末投資をお考えであれば今からでも遅くはないのかもしれません。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。