買収提案、個人投資家は「取得価格」で判断


野村證券はこのほど、個人投資家を対象に投資動向に関するアンケート調査を実施し、「ノムラ個人投資家サーベイ(2015年11月)」を発表した。

3カ月後の株価見通しについて、「上昇する」と答えた割合から「下落する」と答えた割合を引いた「ノムラ個人市場観指数」は前月比で3.0ポイント上昇し51.8となった。調査時の日経平均株価は18,683.24円と前回調査時を677.75円上回ったが、今後株価が上昇すると予想する回答者が増加した。

3カ月後のアメリカドル/円レートの見通しについて円高ドル安を見込む回答比率は51.3%となり、前月比で1.6ポイント上昇した。

株式を保有している企業に対して公開買い付け(買収)の提案が行われた場合、短期保有(概ね1年未満)を想定していた企業、長期保有(概ね1年以上)を想定していた企業、敵対的買収提案と考えられる3つのケースに分け、それぞれどのような提案価格なら応じるか尋ねた。

どのケースにおいても、「取得価格(図表13の選択肢 2~6)」の回答比率合計が「現在の株価(図表 13 の選択肢 7~11)」の回答比率合計を上回っており、買収提案に対して取得価格を判断基準にする人が多いことが分かった。

想定保有期間でみると、短期保有の場合は「提案された価格が取得価格より16~30%程度高ければ売却」との回答割合が17.0%と最も多く、次いで「提案された価格が取得価格より0~15%程度高ければ売却」(16.6%)、「提案された価格にかかわらず基本的に売却しない」(15.7%)となった。

一方、長期保有の場合は「提案された価格にかかわらず基本的に売却しない」が22.5%と最も多く、「提案された価格が取得価格より16~30%程度高ければ売却(15.3%)、「提案された価格が取得価格より31~50%程度高ければ売却」(10.7%)と続いた。

次に、敵対的買収提案と考えられる場合は「提案された価格にかかわらず基本的に売却しない」との回答比率が25.1%と最も多く、「提案された価格が取得価格、または現在の株価より低くても基本的に売却」(9.0%)、「提案された価格が現在の株価の2 倍以上高ければ売却」(8.8%)の順に多かった。

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(出所:野村證券)

調査は、2015年11月2日〜11月4日にかけて株式投資経験のある個人投資家を対象に実施。有効回答数は1000件。