「死に方」を考えさせられる数字:65歳以上は3384万人(4人に1人超)、80歳以上は1000万人超


今月20日の総務省の発表によると、今年9月15日現在の推計で、①高齢者人口は3384万人で総人口に占める割合は26.7%で共に過去最高、 ②80歳以上人口が初めて1000万人を超え、③日本の高齢者人口の割合は主要国で最高とのこと。

この総務省資料には、他に例えば次のような興味深いことも書かれている。

◎高齢者の就業者数は、11年連続で増加し、681万人と過去最多
◎就業者総数に占める高齢者の割合は10.7%と過去最高
◎日本の高齢者就業率は主要国で最高
◎高齢雇用者の7割超は非正規
◎「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多理由
◎高齢者世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2499万円
◎12年間で5倍に増加した高齢者世帯のネットショッピング
◎医薬品・健康食品の支出割合が高い高齢者世帯のネットショッピング
◎高齢者世帯の3割が電子マネーを利用
◎携帯電話の普及率は高齢者世帯の方が高く、スマホの普及率は高齢者世帯の方が低い

少子高齢社会に突入して久しい我が国ではあるが、高齢者人口が増えることが好ましいことなのかどうか一概には何とも言えない。どうあれ、高齢者にとっての最大の心配事の一つは、健康面のことではないだろうか。

平成27年版高齢社会白書によると、高齢者の1/2程度が何らかの自覚症状を訴えており、日常生活に影響がある人は1/4程度になっている。また、健康寿命は延びているが、平均寿命に比べて延びが小さい。健康寿命とは、平均寿命のうち健康に暮らせる期間で、平均寿命から衰弱・病気・痴呆などによる介護期間を差し引いたもの。

更に、高齢者が健康寿命の範疇にいるのかどうかの区別方法の例として、要介護状態であるかどうかが挙げられるが、近年の推移で見ると、平成26年3月末現在で要介護認定者数は584万人。これは今後とも増加していく見通しであるが、今でさえ高齢者人口の18%程度に上るなど看過し得ないもの。

80歳以上人口が1000万人を突破したことは、人口構成に係る一つの事象に過ぎない。要は、高齢者の健康寿命をいかに伸ばすか、換言すれば、高齢者が健康寿命を越えて死ぬまでの期間をいかに短くするか、である。これが我々の眼前にある最難の課題であるに違いない。

いかにして尊厳ある死を迎えるか、いかにして周囲に迷惑をかけずに天寿を全うするか、である。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。