先月6日の国際エネルギー機関(IEA)の発表では、2013年の世界全体の電力供給について、次のようなことが述べられている。
(1)再生可能エネルギーが、天然ガスを抜いて第2位となった〔資料1〕。
(2)水力を除く再エネが、石油を初めて抜いた。
(3)圧倒的第1位は石炭で、非OECD諸国での伸びが大きい。
〔資料1〕
《IEA発表原文より抜粋》
Data for 2013 show that renewable electricity generation overtook natural gas to become the second largest source of electricity worldwide producing 22% of total electricity or 5130 TWh. In addition, in 2013, global non-hydro renewable electricity, which rose to 1256 TWh or 5.4% of global electricity production, surpassed oil-fired generation for the first time ever.
In the same year, electricity generated by coal reached its highest level yet at 9613 TWh, representing 41.1% of global electricity production. The growth in coal generation was driven by non-OECD countries.
その非OECD諸国について、OECD諸国との比較でエネルギー需給規模の変遷を見ると、過去約40年間(1971年〜2013年)で非OECD諸国の 比率が4割から6割へと増加し、OECD諸国はその逆で減少してきている〔資料2〕。
〔資料2〕
因みに、同じ過去約40年間での一次エネルギー供給ベースでは、量・比率ともに化石燃料(石炭・石油・天然ガス)が依然として圧倒的なシェアを占めている〔資料3〕。
〔資料3〕
既に世界的な政治問題となっているCO2排出量削減がなかなか進まない実情や、将来の化石燃料枯渇への懸念を慮れば、化石燃料から非化石燃料(原子力・再エネ)へのエネルギー転換が、引き続き今後当面、人類全体の目指すべき方向であるに違いない。
(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa)
※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。