デザインの話題「電源アイコンの由来」



パソコンやスマートフォン、家電の電源ボタンの多くには円に棒が刺さったアイコンが使われている。すっかり馴染みのあるこのアイコンだが、いったい何を表しているのかは意外と知られていない。実は1と0を表しており、由来はコンピュータからだ。コンピュータはその電子回路の中にたくさんのスイッチを持っており、それらがONもしくはOFFになりその組み合わせで文字や絵や様々な情報を蓄積している。そしてコンピュータはそのスイッチのONを1、OFFを0で表し数字で蓄積している。故にON/OFFを左右する電源ボタンには1と0を組み合わせたアイコンが使用されている。そしてこのアイコンを定めたのは電気工学や電子工学などの国際的な標準化を行う国際電気標準会議(IEC)である。

アイコンをデザインする際には、まず「その図形で機能を想起させられること」を意識するだろうが、様々なものがインターネットとつながる今のIOT(Internet of Things)時代の複雑すぎる機能を小さな図形に収めることはときに非常に困難なときもある。そんなとき図形を詰め込みすぎて煩雑になりかっこ悪くなるぐらいであれば、上述の電源アイコンのように本質的で単純な事象にまでさかのぼり思案することで、ぱっと見で機能が分からなくとも、あとで意味づけが分かれば素直に受け入れられるデザインの方が良いかもしれない。

(Betonacox Design)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。