2015/06/10

日本だけ一人負け・・・天然ガスを巡る日米欧(独)の比較

IEA(国際エネルギー機関)が出している “ Tracking CleanEnergy Progress 2015 ” では、2012年における天然ガス火力の発電電力量・発電電力量比率が5,104TWh・22%になったと記載している。また、今後20年間では、発電電力量比率は減っていくが、発電電力量は増えていくと予測している。

<原文より抜粋>
Natural gas-fired power generation accounted for 22% of total global power generation in 2012 (5,104 TWh). While this share is projected to decrease, generation is likely to continue to grow over the next two decades, playing a major role in reducing the carbon intensity of power generation globally.

興味深いのは、そこの章に掲載されている2つの図表。資料1が日米欧の天然ガススポット価格の推移、資料2が日米独の電源構成とCO2濃度の推移。

<資料1>

(出所:IEA)

<資料2>

(出所:IEA)

資料1からは、天然ガスのスポット価格の面で、次のようなことが読み取れるだろう。
(1)2009年頃までは、日本の調達価格水準は、欧米の調達価格水準と何ら遜色のないものであった。
(2)日欧間の価格差が2011年前半を境として縮小から拡大に転じた。
(3)その理由は、東日本大震災による日本の原子力発電が順次停止した影響で、原子力代替としての天然ガス需要が急激に上がったため。
(4)近年は、米国の一人勝ち。

資料2からは、次のようなことが読み取れるだろう。
(1)電力部門のCO2排出原単位については、2011年までは日本が好成績で欧米を圧倒していた。
(2)それ以降は、原子力発電停止の影響で、日本の電力部門のCO2排出原単位は上昇し続け、欧独を遥かに超える水準になっている。
(3)直近では、欧独は同じ水準。

いずれにしても、日本が一人負けの状態にあることがわかるという話。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。
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