今年も5月の大型連休、GWの季節がやってきた。今年は5月2日の土曜日から5月6日の水曜日までが休日となっており5連休となっている。もちろん日本の株式市場もお休みとなるわけだが、海外は営業日なので海外の株式市場は変動する。そのため投資家の中には株式市場を揺るがす一大事があっても日本は祝日なので何もできず、いざというときに換金できないリスクを懸念されている方もいらっしゃるかもしれない。
そこで5月の連休明け後に大きな下落はあったのか、1965年からの日経平均株価を使って日経平均株価の変動率について調べてみた。結果は以下のとおり。ここで言う連休には土日を含んでいるので3連休後という場合は土日に加えて前の金曜日か翌月曜日が休日だったという意味になる。
日経平均株価の平均変動率(前営業日比)
5月の3連休後:0.60%(事象回数27回)
5月の4連休後:0.38%(事象回数19回)
5月の5連休後:0.10%(事象回数15回)
1965年1月6日から2015年4月23日までの日経平均株価の平均変動率(前営業日比)は0.03%であったので、5月の連休後の日経平均株価の変動率はまあまあ堅調だったといえるかもしれない。だが平均値だけを見てもあまり参考にならないかもしれない。投資では最大下落率がどれほどあるかが重要と考えられるからだ。そこで連休後の変動率の最高と最低を調べた。
日経平均株価の変動率の最高と最低(前営業日比)
5月の3連休後:最高3.52%、最低-1.78%
5月の4連休後:最高3.65%、最低-2.93%
5月の5連休後:最高4.55%、最低-3.27%
興味深いことに連休の期間が長いほど最高と最低の幅が広がっている。これはある意味当たり前のことだ。例えば日経平均株価の予想をするときに明日の予想レンジは数百円の範囲かな、と考えるかもしれないが、これが1年後となると数千円の範囲で考えることがあると思われる。これと同じで、将来実現する株価の最高と最低の幅は(分布と呼んだりすることもあるが)将来予測をする時点が先になるほど実現する株価のブレ幅が大きくなる。連休が長くなるほど最高と最低のブレ幅が広くなるのはこのためだ。
今年は5連休となるが、過去の実績からすると連休後の日経平均株価のブレ幅が大きくなる年といえ、不確実性の高い年といえる。連休後の7日の株価が大きく上昇していれば良いが、日経平均株価が20,000円として3%の下落が実現すると600円程度下落することも可能性としてあることは考慮に入れたほうが良いだろう。
(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。