2014年度の再エネ買取に係る“補助金”の総額は1兆円超え確実 ~ 当初見込みより約1200億円ほど増加見込み


先月23日に更新された資源エネルギー庁の再生可能エネルギーに関する『固定買取価格制度 情報公表用ウェブサイト』によると、昨年11月末時点における再エネ発電設備の導入状況は資料1・資料2の通り。

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<資料1>買取電力量
(出所:資源エネルギー庁)

<資料2>買取金額
(出所:資源エネルギー庁)

エネ庁は昨年3月25日に今年度の賦課金単価について、1kWh当たり0.75円(標準家庭(月の電力使用量が300kWh)で月額225円)とし、買取総額を9,000億円と設定した。

資料2によると、今年4~11月までの8か月間の買取金額は6786.0億円。今年度の残り4か月(昨年12月~今年3月)が同じ程度で推移すると仮定すると、今年度の買取金額は1兆179億円となり、約1200億円の超過見込みとなる。

これはあくまでも単純計算に過ぎない。太陽光や風力は天候に左右されるので、実際にはどのようになるかはわからない。しかし、それを考慮しても、1兆円を超えることは確実だろう。このような巨額の買取金額分は、再エネ導入のための電力消費者からの“補助金”に他ならない。

今年度が終わってから正式に算出されることになるが、1兆円の大台を超えるかどうかは、再エネ買取制度に対する電力消費者である国民からの捉え方や政治的視線を更に真っ当なものに変えていく可能性がある。

エネ庁は来年度の再エネ買取価格について、太陽光では3年連続の引下げ、風力・地熱・水力・バイオマスでは据置き又は一部引上げとする方針。昨年騒がれたいわゆる“再エネバブル”とは“太陽光バブル”と同義であり、太陽光に係る買取価格を引き下げる方向は来年度以降も更に続いていくだろう。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。