2014/12/01

ハイ・イールド債券に潜むハイ・リスクに注意

ハイ・イールド債券に投資する投資信託が人気を集めている。ハイ・イールド(またはハイイールド)が名称に含まれる投資信託のトップ50の残高を調べてみたところ、本稿執筆時点で5.5兆円ほどあることが分かった。

ハイ・イールド債券とは文字通り高利回りの債券という意味であるが、高利回りなのには理由がある。債券には国が発行する国債や企業が発行する社債などがあるが、発行体の信用、つまり利払い能力が高いほど利回りは低くなる。国債は国民から税金を徴収するなどして利払いに充てることができるので信用度が高く、発行体から見れば低利で借金でき、投資家から見れば得られる利回りは低い。一方で経営が不安視される企業は利払いの可能性が危ういので、発行体から見れば低利で借金はできず、投資家から見れば得られる利回りは高くなる(不履行がなければ)。

気になるハイ・イールド債券の利回りだが残高トップの投資信託の運用レポートを見ると利回りは6%ほどある。10年モノの国債利回りが日本で0.4~0.5%程度、米国で2.2~2.3%程度と比べると非常に高い。今のところハイ・イールド債券の投資パフォーマンスは好調である。代表的なハイ・イールド債券指数は利息再投資・円換算ベースで過去3年間で8割ほど上昇しているようである。この利回りの高さや好パフォーマンスが投資信託での人気の理由なのだろう。

しかし過去のパフォーマンスが良かったことに目がくらみ、ハイ・イールド債券は本来信用度の低い債券であることを忘れてはいけない。格付け会社は発行体の信用度をAAAといった格付けで評価しており投資家は格付けを見ることで信用度を把握できるが、ハイ・イールド債券は一般的には格付けが低い、いわゆる投資不適格債とされる。

今のところ“投資不適格債”のハイ・リターンの面ばかりが目立っているが、今後はハイ・リスクの面にも注意が必要だ。前掲の指数はざっと見ただけでもリーマンショック時にはピークから4割程度下落していた。ハイ・イールド債券は本来は債務不履行(デフォルト)リスクの高い債券であり、世界経済の減速や米国が利上げに向かうなど投資環境の変化にともなってハイ・リスクの面が顕在化してくるであろう

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
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