人口知能が人間の仕事を奪う?東ロボくん、代ゼミ模試で偏差値50超え


今年もまた受験シーズンに入ってきたが、受験生にとっては思いもよらないところからライバル出現?かもしれない。「東ロボくん」なる人口知能が代々木ゼミナールのセンター試験の模試で英語の科目で偏差値50を超えたという。他の科目では偏差値は公表されていないが国公立大学4校6学部について、合格可能性が80%以上(A判定)を得たとのこと。

「東ロボくん」は国立情報学研究所が中心となっている人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか。」の一環として、人工知能が人間が解く問題をどこまで解けるのかを明らかにしようとするものとのこと。2016年までに大学入試センター試験で高得点、2021年には東京大学入試を突破することを目標にしている。

英語の成績の詳細は、95 点(200 点満点、昨年度 52 点)で、受験者中の偏差値は 50.5(昨年度 41.0)とのことで、得点率で見れは昨年度が26%、今年度が47.5%となる。仮に四択であればランダムで回答しても25%程度は平均的に得点できるので、正答率で5割近くとあれば昨年度よりもレベルアップしているといえるだろう。

人工知能というライバル出現でうかうかしていられないのは受験生ではなく、仕事を奪われることになる人間だろう。試験問題を処理できるのであれば単純な事務作業や肉体労働のみならず高度な状況判断までできるようになるかもしれない。筆者の仕事も奪われるかもしれない。人口知能は不眠不休で働き続けることができる。

とはいえ、人工知能と対決するのではなく、人口知能を人間が活用するように向かえばよいのだろう。例えば、すでに投資判断の分野ではアルゴリズムがすでに実装されており、投資判断にバイアスが入りやすい人間とは一線を画し、客観的なデータに基づく冷静な投資判断によって人間の投資実務の一助となっている。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。