2014/06/05

デザイナーと社会をつなぐもの「ユニバーサルデザイン」


ユニバーサルデザイン(以下、UD)とは、年齢/性別/障害の有無などといった個人による差異に関わらず利用ができるデザインのことで、アメリカのロン・メイスによって1985年に提唱された。現在の日本では、自動車/家電/重電/建築/住設機器など様々な業界がこの考え方を取り入れており、UDを謳った商品が世の中にいくつも出されている。このUDにおいてロン・メイスは7原則を定義している。

・ だれもが公平に利用ができる
・ 利用における自由度が高い
・ 単純で直感的に利用ができる
・ 情報が認知しやすい
・ 失敗に対して寛大で危険につながらない
・ 無理せず少ない力で利用ができる
・ アクセスしやすいスペースがある

この7原則以外にも、企業が独自に定義をしているものがある。

文具やオフィス家具のコクヨ株式会社は、商品自体のUDはもとより購買シーンやパッケージなども含めて「やさしさ」と捉え、1つの原則と5つの視点を定義している。

住宅設備総合メーカーの株式会社LIXILは、ロン・メイスの7原則を「わかりやすい」「使いやすい」「安全が安心に」「愛着がわく」という4つのキーワードを使って理解しやすいよう設計しやすいよう細かく再定義している。

印刷会社の凸版印刷株式会社は、科学的アプローチにより抽出したユーザー課題を体系化し、コミュニケーションデザインとパッケージデザインにおいて五感的要素と心的要素からUDを分解し、グラフィックやプロダクトへと落とし込んでいる。

総合家電メーカーのPanasonicは、UDを「心配り」と捉えて6つの方針を定めている。他に注目すべきは、UDに取り組む目的を自社商品のユーザーを増やすことと明記している。UDをCSRの一環と捉える会社も多いなか、文言どおりUDにビジネスの可能性を強く見ているのであれば、Panasonicの取り組みは非常に密度の濃いものと考えられる。

他にも様々な企業がUDの定義をホームページで公開している。年齢/性別/障害の有無などといった個人による差異に関わらず利用ができるという課題は単純なようで非常に崇高で難しいため、UDの7原則と自社の特徴やフィロソフィを掛け合わせて、改めて定義しなおすことによって実用的で扱いやすくしているのではないだろうか。

(Betonacox Design)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。
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