「株主総会で議決権行使」個人投資家の4割が予定


野村證券は、個人投資家を対象に投資動向に関するアンケート調査を実施し、「ノムラ個人投資家サーベイ」を5月15日に発表した。

3カ月後の株価見通しについて「上昇する」という回答比率と「下落する」という回答比率の差である「ノムラ個人市場観指数」は前月比で15.2ポイント上昇し44.0となった。調査時の日経平均株価は14,485.13円と前回調査時を323.72円上回っていた。

3カ月後のアメリカドル/円レートの見通しについて円安ドル高を見込む回答比率は58.7%と、前月から3.0ポイント上昇した。

今年4月1日から実施された消費税率引き上げの景気や株式市場に与える影響について尋ねたところ、「消費税率引き上げの影響を見極めるためには、もう少し時間が必要である。株式の売買は、現時点では手控えたい」との回答が39.4%で最も多かった。次いで、「事前に予想していたより、消費税率引き上げの景気に与える影響は小さそうだ。株式を購入したいと考えている」が32.7%となった。一方、「事前に予想していたより、消費税率引き上げの景気に与える影響は大きそうだ。株式市場にもネガティブで、保有株式の一部(あるいは全部)を売却したいと考えている」との見方は11.5%にとどまった。

今後開催される株主総会での議決権行使の方針は、「議決権を行使する予定」が43.2%と、「議決権を行使しない予定」の30.9%を上回った。同様の調査を行った2013年5月の結果と比較すると、「議決権を行使する予定」は43.8%からわずかに低下した。一方、「議決権を行使しない予定」は25.8%から5.1ポイント上昇した。

次に、「議決権を行使する予定」と回答した人に、議案に対する賛否の予定を質問したところ、「全議案に賛成」は29.4%と2013年5月調査の29.2%とほぼ変わらずとなった。反対する可能性がある議案について複数回答で尋ねたところ、「役員退職慰労金の決定」 (29.9%)や「役員報酬の決定」(28.5%)、「配当(剰余金の処分)」(25.9%)が高かった。しかし、2013年5月調査との比較では、「役員退職慰労金の決定」は7.1ポイント減と全体の中で最も低下幅が大きく、次いで「役員報酬の決定」は同6.0ポイント減といずれも前回調査からの低下が目立った。一方で、「配当(剰余金の処分)」は同5.1ポイント増となった。前回調査結果から最も回答比率の上昇幅が大きかったのは、「発行可能株式総数(授権枠)の変更」で同7.1ポイント増だった。


調査は、2014年5月1日〜5月2日にかけて株式投資経験のある個人投資家を対象に実施。有効回答数は1000件。