子どもの代わりに「公園」で結婚相手探し 中国・大連市の婚活事情


大連市労働公園には、日曜日になると決まって人だまりが出来る場所がある。

そこに集まっている人の大半はお年寄りで、誰も彼もが芝生の上や木々に所狭しと貼り付けられた広告のような紙に熱い視線を注いでいる。中には参加者と電話番号を交換し出す人、しきりにメモをし始める人、剣幕な顔で交渉をし出す者さえいる。

一種異様な光景ではあるが、彼等が一体何をやっているのかというと「子どもの縁談探し」だ。

この「週末お見合い大会」では、仕事が忙しくて自由恋愛ができない、結婚する気の無い30代~40代の子ども達に代わり、親が子どもの伴侶を探すという趣旨の元で開かれている。(中には50代の人間もいるため、年齢層に縛りはないようだ)


彼らが見ている「征婚(日本語で求婚)」と書かれた紙には、親によって書かれた求婚中の男女の特徴(氏名、年齢、身長、性格、仕事内容)が書かれている。しかし、顔写真は付いていないので、あくまでも条件提示のみだ。親たちはこの情報を頼りに、自分の子どもに似合う条件を持った異性を見つけ出し、相手方の親に見合い話を持ち掛ける。そして、うまく行けば見合い、婚約という流れになるようだ。

この会は毎週開催され、参加費は無料、毎回多くの参加者で構成されている。また、通年行事となっているため、夏の暑い日も、冬の零下の気温の中でも我が子の結婚相手を探し続ける親の参加が絶えない。

そういえば、アラサ―世代の日本人も、親に電話すると結婚ばかりせがまれるとよく愚痴をこぼす。どの国においても、子どもの結婚は親の気苦労が絶えないものとなっているようだ。

(岸 里砂)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解です。