「高齢者は65歳以上」の時代は終わる 〜 いくつになれば「高齢者」か?



国立社会保障・人口問題研究所が発表した『日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)』(2014年4月推計)の概要は以下の通り。

(1)2035年までに、沖縄県を除く46都道府県で世帯数が減少する

(2)1960年以降、平均世帯人員が全国で最も少ないのは東京都で、2015年には2.0人を下回る

(3)単独世帯は、2025年にはすべての都道府県で最大の割合を占めるようになる

(4)65歳以上の世帯主が全世帯主に占める割合は、2020年にはすべての都道府県で30%以上となり、2035年には41道府県で40%を超える

(5)75歳以上の世帯主が全世帯主に占める割合は、2035年には愛知県、東京都を除45道府県で20%以上となる

(6)高齢世帯(世帯主が65歳以上)に占める単独世帯の割合は、2035年には山形県を除く46都道府県で30%以上となり、9都道府県では40%を超える

(7)65歳以上人口に占める単独世帯主の割合は、すべての都道府県で上昇し、特に東京都は2035年に27.7%に達する

数値の加工方法で言いぶりは様々となるが、とにかく少子高齢化が更に進んでいくことは確かだ。現在、一般的な高齢者の年齢区分は「65歳以上」であるが、高齢化が進んでいけば、これを「70歳以上」、「75歳以上」、「80歳以上」に引き上げていくことが必要になると思われる。

特に、高齢世帯を「65歳以上」と定義し続けていては、今よりも一層進んだ少子高齢社会では、少子高齢社会対策が進もうにも進めない事態に陥るだろう。全体の人口構成が高齢化するとなれば、高齢者・高齢世帯の定義も同様に高齢化させていくべきだ。

遠からず日本は、「64歳以下が65歳以上を支える国」から、『69歳以下が70歳以上を支える国』になり、次に『74歳以下が75歳以上を支える国』になっていかざるを得ない。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。