2014/03/03

英国が誇る名探偵シャーロック・ホームズ William Sherlock Holmes


画像はロンドンのメイフェア地区に近い「ベーカー・ストリート221B」に建つアパートです。ここは誰の家だとお思いですか?

そうなのです。ここはハドスン夫人所有のアパートで、かつて天才的な観察眼と推理力を持つ私立・諮問探偵、ウィリアム・シャーロック・ホームズが相棒のジョン・H・ワトスン医師と共同生活をしていた場所です。現在は「ウィリアム・シャーロック・ホームズ博物館」として一般公開されています。

「シャーロック・ホームズは、背丈が180センチ以上もあり、鷲鼻で角張った顎を特徴とする。また、性格は極めて冷静沈着。行動力に富み、いざ現場に行けば地面を這ってでも事件の一端を逃すまいと血気盛んになる活動家。そして、兄のマイクロフト・ホームズは弟よりもよりも鋭敏な頭脳を持つが捜査に興味がなく、政府国家の中枢に関わる仕事をしているようだが、具体的な地位等は明記されていない」

上記はシャーロック・ホームズ・シリーズを書き、世の中に名探偵を輩出した小説家アーサー・コナン・ドイルの作品「緋色の研究」の中で描かれているシャーロック・ホームズの容姿と性格、そして、下記は同作品に描かれている探偵業を生業にしてからのシャーロックの歴史です(中略)。

「ライヘンバッハの滝で失踪する前のホームズはヴァイオリンの演奏にも長けており、ストラディヴァリ製のヴァイオリンを所有していたし、ボクシングはプロ級の腕前らしいがヘビースモーカーであり、コカインやモルヒネを使う薬物依存があったよう。でも、薬物に手を出すのはワトソンが何年もかけて止めさせた(但し完全に止めたわけではなく、いずれ再発する可能性があったようだ)」

とも書かれています。また、シャーロックが探偵業になった所以は

「大学時代に友人の父親にまつわる事件を難なく解決したことで探偵業を始めるが、本格的に始めるのは、ワトソンと共にベーカー・ストリートの下宿で共同生活を始めた頃からで、二人で組み、問題を解決するという状況になると業績が上がり、当然のごとく名声も高まって、気がつけば、国内ばかりではなく、海外からも事件解決の依頼が寄せられるようになっていた。しかし、1891年に犯罪組織の頭目であるジェームズ・モリアーティ教授との対決で、モリアーティ教授と共にスイスのライヘンバッハ滝にて失踪」

ここで、シャーロック・ホームズは社会から抹殺された状況になるのです。ですから、 次回のシャーロック・ホームズ編はないはずでしたし、アーサー・コナン・ドイルはこの段階でシャーロック・ホームズ・シリーズを終わらせようとしたのですが、気がつけば大変な人気。巷ではシャーロック・ホームズのファンクラブも既に作られていて、シャーロック・ホームズを殺すな!というシュプレヒコールまで起きたのです。

作者のアーサー・コナン・ドイルは困惑しながらも仕方なく、失踪から3年後、ホームズを世の中に蘇らせ、モリアーティの腹心の部下であるモラン大佐を捕まえるため、ホームズを密かにロンドンに戻らせるという苦肉の策でシリーズを再開させるのです。

その後、いくつかのシリーズに登場したホームズは、歳を理由に探偵業を引退して田舎で養蜂の研究をしたりして、老後を過ごすという話しに落ち着くのですが、ここでもまたなぜか復活。第一次世界大戦の直前、政府の依頼でドイツのスパイ逮捕に協力したりして健在ぶりを示し、結局、最後まで探偵業から足を洗うことはなかったのです。

生年月日は1854年1月6日とする説が有力で、生涯を終えるのは1957年1月6日説が最も有力と伝えられています。でも、それが事実だとすれば彼は103歳という長寿を全うしたことになりますね。

さて、ここからは正気に戻って(笑)、というより現実に沿った解説をさせて頂きます。

ホームズのモデルは、コナン・ドイル(コナンは医学部出身です)の医学部時代の恩師で 外科医であるジョーゼフ・ベルと言われています。

それはコナン・ドイルはジョーゼフ恩師を尊敬していたこと、個人的にも交流があり、彼からは医学だけではなく多くのものを教示されていますが、ドイルがもっとも敬っていたのは、恩師のその観察力の鋭さだったのです。まるで人の動きを透視したかのように的確に相手の動きを判断できる、その力に驚きを隠せなかったドイル・・・。

推理することの面白さを無言の内に恩師から教えられていたドイルは、そこからヒントを得て、ホームズ・シリーズを手がけたと伝えられます。恩師あってのシャーロック・ホームズの誕生だったのです。

シャーロック・ホームズに関しては、あまりにも人気があるため、実在の人物と見なして、世界中の数多くの人たちがホームズを研究しています。

この博物館内にもシャーロック・ホームズとワトソンの生前の部屋や彼が愛用していたパイプはじめ多くの小道具などが生前のままに保存されています。また、郵便物は未だここ「ベーカー・ストリート221B」の住所で、宛名はもちろん、シャーロック・ホームズ宛てで届くのです。実在の人物ではなく、例え過去に実在していても、半世紀以上も前にこの世から姿を消しているのです。それでも今現在、彼宛てに配達されるのです。

ロンドン郵便局の粋な計らい、素敵です。そして、ロンドン郵便局に感謝です。

(トラベルライター、作家 市川 昭子)
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