一見関係なさそうなアルゼンチン格下げは要注意


自分には関係ないと思っていた話が後になって身近な問題として影響してくるケースに遭遇したことはないだろうか?私が所属しているeワラント証券では過去にノベルティとしてMade in Japanにこだわったぬいぐるみを制作したことがあるのだが、新たに別のノベルティを企画していたところ、製造国の表示はうなぎ産地の偽装問題の影響で厳格化しているとのこと。

うなぎだけでなく、昨年のホテル・百貨店等でのいわゆる食品表示偽装問題が発覚したことをうけて、消費者庁で表示問題について議論がされている。うなぎの産地やホテル・百貨店での表示問題が、eワラント証券という一証券会社のノベルティ制作に影響が及んだという話なのだが、このように一見関係なさそうなことが後々身近なところに影響してくるということは投資においても珍しいことではない。

例えば一昔前の米国のサブプライムローン問題だ。当初は米国内の問題だから日本株には影響ないという見方もあったが、後にリーマンショックにつながり全世界の経済に大きな影響を及ぼしたことは記憶に新しい。ウクライナの問題や中国などの新興国の景気減速懸念も外国の話だから日本には関係ないや、と高をくくるのは危険かもしれない。

先日、格付け会社ムーディーズがアルゼンチンの格下げをしたが、一見あまり日本経済に関係なさそうに見えるこのニュースにも注意が必要だ。アルゼンチンと関係の深い欧州の銀行の債権が焦げ付くことにつながるかもしれず、これが大問題となれば欧州を震源とする金融不安だってありうる話。一見関係なさそうな海外のニュースにも目を光らせた方が良いだろう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。投資判断は自己責任で。