まるでお城!中国大連に「超高級ホテル」6月開業


バブルがとどまるところを知らない大連市。

高層マンション建設ラッシュが衰える気配を全く見せない中、今度はマンションではなく一風変わった建物が姿を現した。

富裕層が多く住む高級マンションが建ち並び、大連市有数のリゾート地として有名な星海広場。アジア随一の大きさと謳われる風光明媚なこの広場の直ぐ側に、中世ヨーロッパ期の古城を彷彿させるような大きな城が建設された。


この城の正体は、大连城堡豪华精选酒店(英名:The Castle Hotel)。今年6月開業予定とされているラグジュアリーホテルだ。このホテルは大連市や民間の観光開発グループが、大連市の観光促進や経済発展を目的として、2002年から約15億元(240億円)以上の費用を投入されながら建設されてきた。

建設当時から「世界一のプラチナ級5星ホテルにする」との思いの元で造られて、途中で何回も改変改築を行ったというから、その力の入れ具合は半端ではないようだ。

公式ホームページによると、ホテル内には292室の客室(中には600平方の開放型スイートルームもあるという)や67室の分譲マンションが用意され、各部屋や施設などの内装や調度品の数々はどれも溜息が出そうな位に荘厳なもので、どれも超一級品のものばかりを採用していた。

大連にこんな素晴らしい施設ができるとは想像だにしなかったことので、今回のこのホテル建築は色々な意味でも賞賛したい。

一方で場所あらば高層マンションを建て、場所がなくても山を削り木を倒し高層マンションを建て続ける今の大連市。需要はどうやらあるようだが、実際にゴーストマンションになりかけているところも多いのが現況だ。


ホテルが建設されたこの近辺にも多くの超高級マンションのゴースト地帯が存在している。このホテルが建設者の思惑通りに大連市の経済に富を与える要となれば良いのだが、他のマンション同様に期待外れに終わる可能性も0ではない。また、このホテルが成功すれば、また次々と性懲りも無く同じような建造物を建てようとする人間も恐らく多く出てくるであろう。そうなってしまうと、もう後の祭りである。

但し建築されてしまった以上、歯車はもう回り始めてしまった、あとは静観する他ない。

バブルの産物になるのか、金の卵を産むガチョウになるのか。

このホテルの今後の行方に関心が高まる。

(岸 里砂)

※筆者は「Gadgetwear」のコラムニストです。 本稿は筆者の個人的な見解です。