駆け込み需要は最終局面へ 本命は自動車株か?


今年4月には消費税率(地方消費税を含む。以下同じ。)が5%から8%にアップする。消費税率がアップする前には、いわゆる増税前の駆け込み需要が発生するといわれ、昨年は家電や高級服飾品、住宅などの販売が活況だった。その駆け込み需要もいよいよ最終局面に入ったが、住宅の駆け込み需要はすでに昨年に終わったと考えられる。家電や高級服飾品の駆け込み需要はまだ続くだろうが、インパクトが大きい大きな買い物として筆者が特に注目しているのは自動車だ。

この1-3月で自動車ディーラーは最後の追い込みに入ると思われる。自動車ディーラーのショールームも正月早々営業を開始してイベントを行ったりと、顧客の囲い込みに必死だ。ただ、すべての車種が売れているわけでもなさそうだ。12月の新車販売台数をみると、1位はフィット(ホンダ:7267)、2位はタント(ダイハツ:7262)、3位はN-BOX(ホンダ:7267)、4位はプリウス(トヨタ:7203)、5位はアクア(トヨタ:7203)と、比較的低価格、低燃費の小型車の販売が好調だ。なお、6位以下の上位には軽自動車がランクインしている。

自動車株も上昇するだろう。具体的に駆け込み需要の最終局面で有望と思われる銘柄は次の通り。トヨタ(7203)、ホンダ(7267)、ダイハツ(7262)、スズキ(7269)。トヨタ(7203)は根強い人気のプリウスとアクアに加え、新規販売されるミニバンのノアとヴォクシーのハイブリッドタイプが売上に貢献すると見ている。ホンダ(7267)はフィットが引き続き圧倒的に売れているのと軽自動車のN-BOXも順調だ。ダイハツ(7262)の軽自動車でのシェアはゆるぎなく、スズキ(7269)は新型車の健闘が期待できそうだ。

気をつけなければいけないのが、駆け込み需要投資戦略は長期の投資戦略ではないこと。1月中にこれらの注目自動車株に投資して、駆け込み需要が終了する3月から1-3月期の決算が発表される5月までに売却して利益を確定するのがベストシナリオだろう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。投資判断は自己責任で。