4割の企業「正社員不足」


4割弱の企業が正社員不足であることが、帝国データバンクの調査結果で分かった。現在の正社員数が適正であると回答した企業は5割で、過剰と判断している企業は1割強だった。

正社員が不足している企業を業種別にみると、「建設」が59.7%で最も多く、6割近くが人手不足の状態にある。以下、「人材派遣・紹介」(59.4%)、「情報サービス」(58.2%)、「専門サービス」(57.6%)、「自動車・同部品小売」(52.9%)、「放送」(50.0%)、「家電・情報機器小売」(50.0%)で不足感が目立った。

企業からは「2020年の東京オリンピックに向け、建設業界が人員の確保に走っている。本当に必要な現場の人材が足りない状態が起こっている」や「ソフトウエア業界全体が技術者不足。ソフトウエア産業をどうするか、国が真剣に考えるべき時期が来ている」、「業界自体に若い世代が来ないので高齢化が進んでいるうえ、技術的には法令が毎年変わるので若手育成が難しい時代であり、定着しづらい」といった、技術を持った正社員の不足を訴える声が多く挙がった。

一方、非正社員が不足している企業は2割強で、4社に1社で非正社員が不足している。正社員数が「適正」であると回答した企業は7割弱で、「過剰」も9.2%と約1割にのぼった。

非正社員について、最も人手が足りないと感じている業種は「飲食店」(53.2%)。次いで、「人材派遣・紹介」(49.0%)、「旅館・ホテル」( 45.5%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(42.9%)、「飲食料品小売」(41.7%)が続き、消費者と直に接することの多い業種で高かった。



現在の従業員が不足していると回答した企業に、人手不足による影響を尋ねたところ、「需要増への対応が困難」が57.7%で半数を超え、最多となった。以下、「経営力、企画力、営業力の維持・強化が困難」(29.8%)、「技能・ノウハウの伝承が困難」(27.1%)、「組織の高齢化が解消できない」(27.0%)が続いた。

調査期間は2013年12月16日~2014年1月6日。全国1万375社から回答を得た。