コバンザメといえば、大型のサメなどにくっついてエサのおこぼれをちゃっかりもらうサメ、かと思いきや学術的にはスズキ目コバンザメ科に属する魚類なので、サメではない。くっつくといっても微笑ましく寄り添って泳いでいるわけではなく、頭にある吸盤でがっつり吸着している。ちなみに味は美味らしく、激安回転寿司のネタに偽装しているというウワサもある魚だ。偽装せずにいっそのことコバンザメとして寿司ネタになってしまえばよいのに、とも思う。
今回の本題はコバンザメを食す、ということではなくコバンザメのように巨大年金の動きにくっついておこぼれにあずかってしまおうという投資の話だ。
日本の株価指数といえば日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が有名だが、1月6日から新たな指数としてJPX日経インデックス400という指数の算出が始まる。この株価指数の詳細は取引所のホームページなどに記述があるのでそちらをご参照されたい。この指数に関して重要なのは、世界最大の年金基金の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株式運用の目標とする指数として新たに採用するかもしれないのだ。
世界最大の年金基金が日本にあることにビックリされた方もいるかもしれないが、その資産規模も巨大だ。GPIFの2013年9月末時点の運用資産はなんと約124兆円、うち日本株式は約20兆円もある。現在GPIFはTOPIXを日本株式運用の目標としているため、基本的にTOPIX構成銘柄を保有していると考えられるが、もし、GPIFが運用目標をこの新指数に変更すると、TOPIXの構成銘柄になっていなくて、新指数の構成銘柄になっている銘柄を新規に買い付けることが予想される。しかもGPIFの運用方針は他の年金基金の運用に影響を与えるため、他の年金基金も追従して目標の変更を行って、新規採用銘柄に追従買いが期待できる。
(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。投資判断は自己責任で。