『介護・看護離職』は年間10万人 〜 「親の介護は他人任せでいい」と堂々と言える時代へ


政府・各省庁は、ほぼ毎日、何かしらの調査統計データを公表している。総務省が最近公表したものの中に「平成24年就業構造基本調査結果」というのがある。国全体や地域別の就業・不就業の実態を調査するもので、5年ごとに行われている。

15歳以上の人口に関して、

1)有業者は6442万1千人、5年前に比べ155万7千人減少、無業者は4639万4千人、207万人増加
2)有業率は男性が68.8%、5年前に比べ2.8ポイント低下、女性が48.2%で0.6ポイント低下
3)5年前に比べ「正規の職員・従業員」、「労働者派遣事業所の派遣社員」は減少、「パート」「契約社員」などは増加
4)過去5年間の転職就業者の産業間異動は「医療、福祉」などで転入超過、「製造業」などで転出超過
・・・といったように、これだけで見ても今の世情を表すデータが実際に出ている。

この調査に、今回から新たに『介護と就業』という項目が加わり、「過去5年間に介護・看護のため前職を離職した者は48万7千人」という結果が出されている。介護離職は毎年10万人と巷間言われているが、それは総務省統計局が発表している別表のデータを基にしてのことであろう。


これは、介護は家族が行うべきと考える人が多いからなのか、家族に要介護者を抱えていると職場で不利になるからなのか等々、幾つかの要因が指摘される。いずれにせよ、介護保険制度の周知も含めて、職場において介護や介護保険制度に関する相談をする主任者のような存在を内製化するか外部委託するか、何らかの支援措置が必要だろう。

介護離職問題は、高齢者福祉の観点のみならず、企業の労働力確保の観点からも、今後の大きな課題となっていくはずだ。親の介護は他人任せでいい、と堂々と言える時代を迎えるべきだ。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa)