異常気象や虫被害、地球温暖化に備える投資



報道によると米国のカリフォルニア州で初めて、テング熱や黄熱などの感染症を媒介するネッタイシマカという蚊の一種の生息が確認されたとのこと。ネッタイシマカは名の通り、アフリカ中部、インド、東南アジアなど熱帯地域に生息する蚊だが、徐々にその生息範囲が北上していることになる。日本でも温暖な地域にしか生息していなかったクマゼミの生息範囲が北上していることや、スギ花粉の飛散量が増えていることや竜巻や豪雨の頻発といった事象は地球温暖化の表れかもしれない。

地球温暖化は防ぐべきものではあるが個人でどうこうできるものではないので、温暖化の進行を前提に検疫所のホームページをチェックするとか、花粉症や天災に備えて準備をしておくなどしておいた方がよさそうだ。資産運用においても対策を考えておいた方がよいだろう。

例えば、前述のネッタイシマカの生息範囲の拡大については、感染症を予防・治療する医薬品を開発している企業や、殺虫剤や蚊取り線香(熱帯地域の蚊は日本の蚊よりも殺虫剤に強いようだが)を製造・販売している企業などを探して投資することが考えられる。スギ花粉に対してはスギ花粉の飛散前に花粉症治療薬やマスクを製造・販売している企業に投資しておくことが考えられる。気候変動で穀物価格が乱高下することに備えて農地や穀物を大量購入する、といっても巨額の資金が必要になるので、例えばシカゴコーンなどに商品先物取引、投資信託、ETF、eワラントなどの金融商品を使えば比較的容易に投資することができる。または穀物を取扱っている企業の株、国内株であれば米国の穀物大手を買収した丸紅(8002)、米国株であれば穀物大手のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)やブンゲ(BG)への投資が考えられるだろう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。