2013/11/20

仕事したい人の数より仕事の数が少ない20年 少子高齢社会における就職難と離職率

今の時代は就職難と言われる。いつからそうなったのか。

1990年代前半のバブル経済崩壊から今までの20年間を振り返ると、2006〜07年の一時期を除いて、有効求人倍率は1未満で推移してきた。仕事したい人の数より仕事の数の方が少ない状態がおよそ20年も続いていることになる。

そんな「就職氷河期」になって久しい中で、せっかく仕事に就いたのに、すぐに仕事を辞めてしまう人も少なくない。ある産業分野で離職理由に関して、アンケート調査した結果がある。

次の通りだ。

1位:「事業所等の理念や運営のあり方に不満がある」(24.4%)
2位:「職場の人間関係に問題があった」(23.8%)
3位:「他によい仕事・職場があった」(19.4%)
4位:「収入が少なかった」(18.9%)に関しては、それぞれ8.3%、12%。
5位:「将来の見込みが立たなかった」(16.7%)

もう一つ、別のアンケート調査結果がある。

次のようなものだ。

1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
6位:社長がワンマンだった(7%)
7位:社風が合わなかった(6%)
7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
7位:キャリアアップしたかった(6%)
10位:昇進・評価が不満だった(4%)

上のアンケート調査は介護職の結果で、下のアンケートはリクナビによる業種を問わない転職組の結果だ。離職率が高いことが介護分野の大きな課題だと言われている。しかし、上のどちらの結果を見ても、離職理由としてはありがちな内容ではないだろうか。

私は以前、政府機関に勤めていたが、自分も含めて転職組たちに転職理由を語らせたら、どの理由も何となく当てはまる気がする。

介護職は離職率が高いと言われているが、実はそうではない。離職率の高い業種は他にもいろいろある。離職理由も様々だし、似ている部分もある。介護、あるいは医療に従事している人に対して、当人に向かって「志が高いんだね」と語りかける人が少なくないようだ。

そんなことはない。

どの仕事もどの業種も、志がなければ勤め上げられるものではないだろう。介護や医療は特殊でも何でもない。社会保障分野の仕事ではあるが、ごく普通の産業でもあり、雇用の場でもある。社会保障は国家予算がふんだんに注ぎ込まれている。

しかし、それでは将来が持たないかもしれない。だから、社会保障を特別視することをやめることから始めないといけない。少子高齢社会に入っているのだ。

(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川和男 Twitter@kazuo_ishikawa
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