日本の株式市場は夏休みモード。個人も機関投資家も積極的な売買は手控えているのか、東証一部の売買代金は低水準になっている。こういうときは一部の仕掛け的な売買で相場が荒れることがある。最近は日経平均株価が乱高下しているが、背景に日経平均先物取引の仕掛け的な取引が影響しているのでは、という市場関係者の解説もある。日経平均株価が乱高下する嵐の間は無理に買いに向かわず引きこもって嵐が去っていくのを待つ、というのも一手だ。とはいっても、個別銘柄を注目すれば嵐などどこ吹く風と言わんばかりに上昇する銘柄もあるし、相場全体が大きく下がったタイミングで上手く仕込めれば相場の反発で利益を得られるかもしれない。
個別銘柄を選ぶ方法の1つとして株主優待に注目してみても面白いかもしれない。今の時期だと9月の株主優待銘柄に注目だ。例えばオリエンタルランドは9月末時点の株主に対して、所有株式数に応じ東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーのどちらかで利用可能な1デーパスポートを送っている。
株主優待がもらえるからこの優待銘柄を買いましょう、ということではない。個人にとって魅力的な株主優待を配っている会社の株価は、株主優待を手に入れたいという投資家の買いによって、9月に上昇する可能性がある。ココを狙う。つまり、株主優待狙いの投資家の買いが集まる前に買っておいて、株主優待狙いの買いによって株価がじわじわ上がってきたところでスパッと売り抜けるのだ。個人的には換金しにくい株主優待をもらうより売却益の方が嬉しいと思っている。具体的には、今月どこかで株価が下がったタイミングで優待銘柄を買って仕込んでおき、9月中旬あたりで売却して値上がり益を狙う。9月の優待銘柄としてはサンリオ(8136)、JT(2914)、三越伊勢丹HD(3099)、ANAHD(9202)などもある。
注意点としては9月25日までに売り抜けること。その後は権利落ちで下落する可能性がある。また、この投資手法は100%成功するものではない。現時点で既に株主優待の経済的な価値が株価に織り込まれていて、さほど株価が上昇しないことも想定される。あくまで投資は自己責任で。
(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。