中国の金融政策に個人投資家が注目 シャドーバンキング問題の影響で


マネックス証券は、個人投資家を対象とした相場環境に対する意識調査を実施し、その結果をまとめたレポート「MONEX 個人投資家サーベイ 2013年7月調査」を発表した。

「上昇すると思う」と回答した割合から「下落すると思う」と回答した割合を引いたDIは、日本株は小幅な低下となった。米国株DIは、7月中旬以降、NYダウ平均が史上最高値を更新していることなどが影響し、小幅に上昇。中国株DIは大幅に低下し、2009年10月の調査開始以来最低となった。HSBCが発表した6月の中国製造業PMIが先月同様に50を下回り48.2となったこと、中国人民銀行が金融不安に対する金融制度改革の一環として貸出金利の下限規制の撤廃を発表し、金融制度改革に取り組む姿勢を見せたものの金融市場への不安感を解消しきれなかったことなどが要因。

個人投資家が「魅力的であると思う業種」ランキングは、7ヶ月連続で「自動車」と「医薬品」が上位2位を独占している。今回の調査では、前回調査時よりも円安傾向であったことが影響してか「自動車」が首位となった。

個人投資家が注目するトピックは、中国のシャドーバンキング問題が影響して、「中国の金融政策」への注目度が急増した。また、FRBのバーナンキ議長の5月以降の金融緩和策の出口戦略をめぐる発言も影響してか、「米国の金融政策」「米国の金利動向」「米国のマクロ経済」は5月以降継続して注目度が高まっている。



個人投資家の少額投資非課税制度(NISA)について調査したところ、約6割がNISAの名称および制度を知っていると回答した。年齢別では差が見られなかったが、金融資産別に大きく差があらわれ、金融資産が多いほどNISAの認知度が高い傾向にあった。



また、過半数がNISAを「積極的に活用したい」と回答したが、「活用したくない」「まだ分からない」の回答も約半数を占め、制度を本格的に活用するかどうか判断できていない個人投資家が多いことが分かった。

NISAを活用したいと回答した層に、具体的にどのような投資をしたいか尋ねたところ、約6割が毎年100万円までの非課税投資枠の上限まで有効活用したいと回答した。

調査は、2013年7月19日~7月22日の間、マネックス証券に口座を保有している個人投資家を対象に実施。有効回答数は1205件。