「海外で働きたくない」6割、新入社員の海外志向の二極化進む


産業能率大学は24日、「新入社員のグローバル意識調査」の結果を発表した。この調査は、2001年度から3年に1度実施されているもので、今回で5回目となる。

調査は、2013年6月18日〜6月24日の7日間、今年4月に新卒採用(高卒以上)された18歳〜26歳の新入社員を対象に実施。サンプル数は793。 

海外で働きたいと思うかを尋ねたところ、「働きたいとは思わない」が58.3%で6割近くに達した。一方、「どんな国・地域でも働きたい」が29.4%、「国・地域によっては働きたい」が12.2%で、約4割が海外で働きたいと思っていることが分かった。

「働きたいと思わない」「どんな国・地域でも働きたい」と回答した割合は、いずれも前回調査から増加し、海外志向の二極化が進んでいると言える。





男女別にみると、「どんな国・地域でも働きたい」と答えた男性は33.9%、女性は25.4%で8.5ポイントの開きがあった。海外留学経験の有無別では、留学経験がある層は「どんな国・地域でも働きたい」が半数を超えて56.9%に達しており、「働きたいとは思わない」は21.2%だった。一方、海外留学経験がない層は、「働きたいとは思わない」が3分の2を占めた。英語習得のレベル別にみると、英語をより習得できていると答えた層ほど「どんな国・地域でも働きたい」の割合が高くなった。

海外で働きたいと答えた人にその理由を尋ねたところ、「日本ではできない経験を積みたいから」が最多で、以下「自分自身の視野を拡げたいから」「語学力を高めたいから」の順に多かった。

また、海外で「働きたいとは思わない」と回答した人にその理由を聞いたところ、「自分の語学力に自身がないから」が最も多く、次いで「海外勤務は生活面で不安だから」「海外に魅力を感じないから」と続いた。

同大学は、「数年前まで特定層に限られた話だった海外赴任も、徐々に現実に起こりうる問題として捉えざるを得ない状況になってきた。海外で働くという曖昧なイメージが具体化されるほど、海外で働きたいと積極的に考える層と、働きたくないと考える消極的な層がはっきりしてきた」と分析している。