米国株と銅価格の意外な相関


米国株が堅調だ。NYダウは6月13日の終値で昨年末から15%以上の上昇となった。5月にはNYダウが史上最高値を更新したというニュースを聞かれた方もいるだろう。気になるのはこの上昇局面がどこまで続くのかということだが、近年のNYダウは銅価格と相関性がみられ、銅価格をみることで米国株の今後を予想するのに役立つかもしれない。

銅は電線や自動車、多くの家電製品に使用されるため、製造業にとってはなくてはならない金属だ。景気がよくなって経済活動が活発化すると需要が増えることから、景気の先行指標として注目されることもある。

このグラフは銅価格の世界的指標とされるロンドン金属取引所(LME)の銅価格とNYダウの価格を2009年末を100として指数化したもの。週次の米ドル建のデータを使っている。



2010年は銅価格とNYダウの価格の推移がピタリとまではいかないが似通っていた。2011年以降の銅価格はNYダウを中心に上に乖離してはNYダウの水準に戻り、下に乖離してはNYダウの水準に戻る動きをしていた。仮に今後もこの関係が続くとすれば、現時点で銅価格はNYダウの下に乖離しているので、銅価格が上昇してNYダウに追いつくか、NYダウが下落して銅価格に近づくか、もしくはその両方ということになるだろう。

ところで、銅の需要で忘れてはならないのが中国の動向だ。急激な経済発展により世界中の資源を中国が買い漁ったことから資源価格が高騰した時期があった。日本でも電線やマンホールのフタが盗まれる事件が相次いだ時期だ。ところが2011年以降の銅価格は上下に振れるものの、トレンドとしては横ばいになっている。これは中国の経済成長の鈍化が影響しているからかもしれない。中国の景気低迷はNYダウのみならず世界中に影響を与えるため、この点からも銅価格の推移は注視しておいたほうがよいかもしれない。(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。