野村證券は、個人投資家を対象に投資動向に関するアンケート調査を実施し、「ノムラ個人投資家サーベイ」を5月17日に発表した。
3カ月後の株価見通しについて「上昇する」という回答比率と「下落する」という回答比率の差である「ノムラ個人市場観指数」は61.2と、前月に比べ3.4ポイント上昇した。調査期間の5月7日~8日は、前営業日の5月2日までの4営業日続落から大幅上昇に転じており、株価の先行き上昇を見込む個人投資家の割合が増加したと、同社は分析している。
3カ月後のアメリカドル/円レートの見通しについて円安方向を見込む回答比率は77.1%だった。前月に比べ5.6ポイント上昇し、2010年1月の調査開始以来最も高い水準となった。「5円程度円安ドル高」を見込む回答比率は前月比で4.1ポイント上昇し、引き続き回答者の半数以上を占めている。
今後3カ月程度の各通貨に対する見方について、「最も投資魅力がある通貨」との回答比率から「投資魅力があると思えない通貨」との回答比率を差し引いたDIを見ると、最も魅力的な通貨は2010年1月の調査開始以来初めて「アメリカドル」となった。 DIは24.4と前月比5.3ポイント上昇し、調査開始以来の最高となった。
前月調査で1位だった「オーストラリアドル」はのDIは前月比2.8ポイント低下の21.0で3位に後退。「ユーロ」のDIは依然としてマイナスだが、前月比上昇幅は10.8ポイントと全通貨中最大であった。一方、「中国元」のDIは前月比-12.7ポイントと全通貨中最大の下落幅で、過去最低となる-51.3となり、8カ月連続で最下位となった。
日本版ISA(少額投資非課税制度)について聞いたことがあるかを尋ねたところ、「聞いたことがあり、内容も知っている」と「聞いたことはあるが内容は知らない」の回答割合の合計は8割近くを占めた。
また、日本版ISAが導入されたら利用したいか聞いたところ、「利用したい」と「どちらかといえば利用したい」の回答割合の合計は79.1%だった。「日本版ISAで購入したい商品」は、「国内株式」が87.4%で最も高く、次いで「株式投資信託」が23.3%だった。日本版ISAで非課税期間とされている5年間での総投資金額は、回答者の3割が上限の500万円を想定している。
調査は、2013年5月7日〜8日にかけて株式投資経験のある個人投資家を対象に実施。有効回答数は1000件。