「商品の擬人化」で消費者の隠れた本音を探る パッケージデザインのリニューアルにどう取り組むべきか


パッケージデザインのリニューアルは大事なデザイン戦略の一つであり、商品の売れ行きを左右するものです。また、リニューアルを繰り返すことでロングセラーブランドになるケースは多くあります。

例えば、キリンビバレッジのドリンク「ソルティライチ」は、発売してから1年半の間にパッケージを4回もリニューアルをしています。ソルティライチは2011年7月に発売され、半年で90万ケースを出荷するというヒット商品でしたが、2012年の出荷本数はそれをさらに上回る330万ケースで大ヒットになりました。

リニューアルでは、夏場の前には情報量をあえて落として爽やかさや清涼感を強調する、秋には乾燥対策として提案するコピーを追加するなど、季節ごとにちょっとした文言を付け加えたり、イメージを変えたりすることで売上増加がさらに加速しました。

他の例としては、資生堂は消費者の本音を引き出すリサーチを実施し、ヘアケア商品「ツバキ」の大幅なリニューアルを図りました。ツバキはしずくの形をしたボトル形状と赤を中心としたパッケージで人気を博していましたが、最近では様々なメーカーの攻勢にされされ、今までの勢いが急速に落ちているという状況でした。

そこで、今回のリニューアルではグループインタビューを中心に調査を行い、消費者の本音を引き出すという方法を取りました。中でも商品を擬人化してロールプレーを行うという調査が役立ち、これは「ツバキさんになってください」といったように商品を人にたとえ、印象を話し合うというもの。その調査結果から、優しい印象を持たせるために椿の写真をプリントした包装でボトルを覆うパッケージを採用しました。

このような事例から、各企業ともにパッケージのリニューアルによってブランド力を向上させたり、短期間で売上をアップすることに成功していることが分かります。