個人投資家、円安・ドル高期待は依然高水準


野村證券は、個人投資家を対象に投資動向に関するアンケート調査を実施し、「ノムラ個人投資家サーベイ」を4月12日に発表した。

3カ月後の株価見通しについて「上昇する」という回答比率と「下落する」という回答比率の差である「ノムラ個人市場観指数」は57.8と、前月に比べ14.0ポイント低下した。調査期間の4月1~2日は円安・株高が一服し、日経平均が一時11800円台まで下落するなど調整気味であったことから、前月と比べて先行き株価上昇を見込む個人投資家の割合が減少したと、同社は分析している。

3カ月後のアメリカドル/円レートの見通しについて円安方向を見込む回答比率は71.5%だった。前月に比べ1.2ポイント低下し、昨年11月調査以来5カ月ぶりの低下となったが、依然として円安・ドル高期待が高水準にあると見ることができる。「5円程度円安ドル高」を見込む回答比率は53.3%と前月比で1.4ポイント低下したが、引き続き回答者全体の過半を占めた。



今後3カ月程度の各通貨に対する見方について、「最も投資魅力がある通貨」との回答比率から「投資魅力があると思えない通貨」との回答比率を差し引いたDIを見ると、最も魅力的な通貨は「オーストラリアドル」となり、DIは前月比1.2ポイント上昇の23.8となった。前月調査で1位だった「日本円」のDIは前月比4.4ポイント低下の19.3で2位に後退、前月比2.1ポイント上昇の19.1となった3位の「アメリカドル」とほぼ同水準となった。



昨年度1年間の株式投資の収益状況と、利益(含み益)・損失(含み損)に対する方針・考え方について尋ねたところ、「損益は概ねプラスであったが、投資環境を考えると満足できない結果であった」が23.1%で最も多かった。次いで「損益は概ねマイナスであったし、投資環境を考えても満足できない結果であった」が22.3%、「損益は概ね五分五分であり、投資環境を考えれば満足できる結果であった」が16.8%、「損益は概ねプラスであり、投資環境を考えても満足できる結果であった」が14.1%だった。損益のプラス/マイナス面で見ると、プラスが37.2%、五分五分が40.2%、マイナスが32.6%だった。

利益(含み益)に対する方針・考え方は、「特に方針を定めておらず、状況次第で決める」が38.9%で最も多かった。次いで、「11%~20%程度で利益を確定する」が18.6%、「10%程度で利益を確定する」が18.2%、「21%~30%程度で利益を確定する」が13.1%となり、半数以上が30%程度までで利益を確定する方針であることが分かった。

損失(含み損)に対する方針・考え方は、「特に方針を定めておらず、状況次第で決める」が全体の60.0%で最も多かった。次いで、「-10%程度で損切りを行う」が13.4%、「-11%~-20%程度で損切りを行う」が13.1%、「-21%~-30%程度で損切りを行う」が7.5%となり、3人に1人が-30%程度までで損切りを行う方針を持っている。また、利益確定と比べて、損切りには特に方針を定めていない個人投資家が多いことが分かった。

調査は、2013年4月1日〜2日にかけて株式投資経験のある個人投資家を対象に実施。有効回答数は1000件。