生活保護の不正利用、医療従事者の約半数が経験 「食費浮かすため入院」など悪質な例も


医療従事者の約半数が生活保護受給者による不適切な医療機関や医療資源の利用を目にした経験があることが、QLifeとエス・エム・エスの調査によって分かった。


具体的には、「過剰な受診」「必要無い量・種類の薬の請求」「実態とそぐわない入院希望」などが多く、転売目的で薬を希望したり、処方を断った医師に対して「何かあったら責任取れるのか」と恫喝するなど悪質なケースもあるという。

この他に、「糖尿病のインスリン患者が食費が無くなるとわざとインスリンを打たずに高血糖になり、救急外来を受診し入院して食費を浮かす」「蚊に刺されただけでも虫刺されの薬を買うとお金がかかるとか言って受診する。診察の際には必ずタクシーを利用し、バス等は使わない」「医学的には不要と思われる薬を出して欲しいと言われて、いくら説明しても診察室に居座り、 出すまで帰らない」といったコメントが寄せられた。

また、医療従事者の2割弱が子どもの医療費補助による不適切な医療機関の利用を見たことがあると回答。「コンビニ受診(緊急性がないのに夜間や休日に病院の救急外来を利用すること)」「家族間での薬の使いまわし」などの回答が多く見られた。

調査は、2012年12月23日〜2013年1月11にかけて、医師182人、看護師370人、薬剤師192人の合計744人を対象に実施した。